品評会では、さまざまな国の珈琲鑑定士たちによって、コーヒーの味わいが評価されていきます。彼らがもっとも重視するのが、「香り」です。
強さだけではなく、どのような種類の香りを有するかが評価のポイントです。
コーヒーには1000種類以上の香りがあると言われていますが、なかでも「カラメル」、「ナッツ」、「トースト」系の甘さを感じさせる香りをもつものが、高く評価されます。
そのことに加えて、数多くの農園が出品するコーヒーと競い合わなければならないという性質上、ほかにはない特徴的な香りを感じられるものに、より高い得点がつけられる傾向があります。
こうした背景から、ほかにはない特徴ある香りをもつコーヒーをつくりだそうとして、新しい取り組みに挑む農園が多くなっています。こうした動きは、歴史ある農園ほど強いと感じます。
彼らは長い時間をかけて築き上げてきた農法を守りながら、そこに居着くのではなく、それを更新していくことに取り組んでいるというわけです。
今日も農園の新しい挑戦によって生み出されたコーヒーが届きました。さっそく焙煎をして香りを鑑定。彼らの努力の結晶というべきコーヒーを口にして、負けてはいられないと思いを強くしました。