霧が立ち込めるなか、朝日に照らされてうかぶコーヒーの樹々。
はじめてみた美しい風景。
ただ息をのみました。
山頂付近、1300m以上の標高に植えた樹から収穫されたコーヒーは、
より良質であると言われています。
標高の高い場所は、昼夜の寒暖差がはげしく、
早朝は気温が低下し、霧が発生しやすくなります。
この霧が、樹にあたる強い日差しをやわらげてくれます。
樹の成長の速度はおさえられ、ゆっくり時間をかけて実は熟成していきます。
この実から取り出された生豆から、
より芳醇な香りをもつコーヒーが生まれるというわけです。
問題は、この場所では機械が使えないということです。
栽培・収穫はもちろん、できあがった豆の運搬にいたるまで
人の手でおこなわなければなりません。
産地国における人手不足は、日本同様に深刻。
この場所でコーヒー栽培をおこなうものたちの数は、どんどん減っています。
いまでさえ、入手は困難なのですが、
今後はもっと手に入りにくくなるかもしれません。
ただ、どんなにむずかしくなったとしても、
この標高で育ったコーヒーは手に入れつづけたいと考えています。
はじめて産地を訪れ、あの美しい風景をみて、ここで育ったコーヒー豆こそ、
自分があつかうべきものだと、強く思ったからです。