欧米の鑑定士は、酸味に強い特徴をもつ銘柄に高い得点をつける傾向があります。
いままで過ごしてきた食文化によります。
ただ、ぼくたちのコーヒーづくり考え方は、これと少し異なります。
酸味より、コーヒーのもつ素材の“甘み”を大切にしています。
この味わいこそ、日本の食文化に沿っていると思うからです。
苦味や酸味は、この“甘み”を支えるためにあるという考え方。
この甘みをお楽しみいただくために、ぼくたちのつくるコーヒーは
まず、なにも足さないブラックの状態で召し上がってみてください。
くわえて、この“甘み”がもっとも表現されるのは、
人肌ほどに温度が冷めたときです。
「たてた直後はもちろん、カップに残ることなく最後の最後まで楽しめた」。
口にする方に、いつもこう言っていただけるコーヒーをつくることが、
ぼくたちの目指しているものです。
いきつけのカレー屋がある。店主はネパール人。
もう5年くらい通っている。
気を使って、へたくそな英語でずっと彼とやりとりをしていた。
先日、店主が、納入業者とやりとりしている姿を見た。
「ものすごく、流暢な日本語で話しているやないかい・・」
カレー食べてないのに、はずかしくて体中から汗が吹き出た。