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コーヒーの「甘み」のつくりかた



コーヒーを口にしたとき、「おいしい」と感じる。その理由は、甘みを感じるからだと考えています。

そのコーヒーが甘みを表現できるのは、豆の成分のなかに糖質を含むからです。

近年になって研究が進み、どうすれば糖質をより多く含むコーヒー豆ができあがるかがわかってきました。

ひとつは、標高の高い場所で育てられること。こうした場所にある昼夜のはげしい温暖差という環境が、コーヒーの実をひきしめ、糖質をより多く含む生豆を生み出します。

ふたつめは、完熟して真っ赤にそまったコーヒーの実だけを収穫することです。青さが残る未成熟な状態の実が混じると、甘みが消されてしまいます。

最後に、焙煎です。緑がかった生豆は釜に入れると、薄いキツネ色に染まります。この状態で飲むと、きつい酸味しか感じません。

ここから、焙煎を進めていくと豆の色は、茶色くなっていき酸味は、甘みへと変化していきます。

この甘みをもっとも表現するタイミングで仕上げなければならないのですが判断に許される時間は、ほんの数秒の間です。

現地のつくり手と焙煎士との共同作業によって、コーヒーの甘みははじめてつくり出されます。

甘みの話は、次回も続きます。