コロナ問題は物流に、大きな影響をあたえています。
港への入船や、貨物の積み替え作業に滞りを生じさせているのです。
その結果、生豆の到着にも大きな遅れが出ています。
この事態が長期化すると、焙煎する豆が手元に届かないという事態が起きるかもしれません。
そうなったら、自分はどうするかを考えてみました。
まったく豆がないということはありません。数年前につくられ在庫されているものが、国内に存在します。ですから、「この豆を仕入れるか」という考えがふと頭に浮かびました。しかし、直後に「それはない」と首を横にふりました。
理由はふたつです。ひとつはお客さまとのお約束です。
わたしたちは、お客さまには、新豆の状態の生豆を焙煎してお届けするとしています。この約束を破るわけにはいきません。
もうひとつは、単純に自分自身がしたくないからです。
先日、文章を書く心得をテーマにした糸井重里さんの文章に出会いました。
「文章を取り繕う人は、やはり取り繕う人」。
取り繕って仕入れたコーヒーもまた、取り繕う味になってしまうと思うのです。
それは、わたしたちのつくりたいコーヒーではありません。