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長く受け継がれてきた"いい仕事"を守りたい。



2021年も、ご愛顧いただきほんとうにありがとうございました。

年末のこの時期、品質の高いコーヒーを生み出すために何が必要かをあらためて考えてみました。
今話題の最新農法や技術が、必ずしも必要とは思いません。
完熟した実だけを摘み取る。栄養分を実に行き渡らせるために葉の剪定をおこなう。生育するまで肥料を十分にあたえる、などなど。現地で受け継がれてきた“当たり前”が積み重ねられることによって、上質なコーヒーは生まれると考えています。

ただ、現代においては、この“当たり前”を続けることが、ほんとうにむずかしくなっています。
当たり前のことができなくなる最大の理由は、“消費国の論理”です。取引には、どうしても価格交渉がつきまとってしまう。
作り上げたコーヒーが買い叩かれるという状況が続けば、“当たり前”としてきたことを省いていかざるをえません。

その結果、一粒一粒、人間の目で完熟しているかを確認して、手摘みしていくことはなくなっていきます。機械を使って一気に実を収穫していくほうが、コストをおさえられるからです。ただ、コーヒーの機械収穫は、木をたたいて実を地面に落とすことです。どうしても未成熟な状態の実も混ざります。これらのことが重なると、小農家ほど、いままでしてきた“当たり前”を捨て、さらには、コーヒーづくりをあきらめていく。

この状況のなかで、わたしどもは、来年以降も品質が高いと認めたコーヒーは、価格交渉することなく買い付けていきたいと考えています。
お客さまには“当たり前”が積み重ねられてつくられたコーヒーをお届けしたいと考えていること。
そして、彼らが長く受け継いできた“いい仕事”を守りたいと望むからです。