今年も、のこり2ヶ月となりました。
2021年も、70種類近い農園のコーヒーをみなさまにご紹介してきました。
これら農園のリストを見ているとき、多くに共通していることがあることに気づきました。開始してから一族によって代々、受け継がれているということです。
3代、4代と続いている結果、100年以上の歴史を有しているという農園も少なくありません。
受け継がせることを考えるだけあって、彼らの多くは「長い目」でコーヒーづくりを考える傾向があります。そのことは、植えるコーヒーの樹の品種にちがいを生みます。
コーヒーは、苗木を植えてから実が収穫できるまでに最低でも3年はかかります。
新しくはじまった農園はどうしても短期間で収益を上げることを考えるため、よりはやく育つ品種のコーヒーの樹を選びがちです。
それとはちがい、長い歴史をもつ農園では、植えるコーヒーの樹は昔からある「原種」のものがよく選ばれます。その樹から収穫されるコーヒーのほうが、品質が高いからです。
問題は、そのような樹は育てるのに、手間がぼうだいにかかることです。天候不順や、さび病にも弱く、つくり手は収穫するまでに多くの困難に直面することになります。
ただ、目の前にたちはだかる困難を乗り越えてきた経験は、彼らだけがもつものです。
たしかに彼らがつくるコーヒーには、他にはない独特の味わいを感じます。
それはなにか画期的手法からつくりだされたものではありません。
積み重ねてきた歴史の長さと深さが生み出したものです。