コーヒー生産の現場で、光の当たらない仕事があります。
「精製」です。
「精製」とは摘み取ったコーヒーの実から、
果肉を取り除き、中にある生豆を取り出す作業を指します。
わたしたちが求めるコーヒーの味わいは、
“にごりのない精練さ”です。
質の高い「精製」をおこなわなければ、
この“にごりのない精練さ”は生まれません。
かつては、この「精製」の作業を
専門業者に委託することが当たり前でした。
設備には多くのコストもかかります。
効率を考えても、それは当然のことだと思います。
ただ、近年になって、自分たちが考える味わいを
つくりだすために、自身たちの手で質の高い「精製」を
おこなう生産者がでてきました。
現地で「精製」の現場を見ておどろかされたのが人の手間です。
「精製」は、原則手作業でおこなうため、
時間もお金もかかります。
こだわればこだわるほど苦労は大きくなります。
現場を自分の目で見ながら、「本物」とは最後の最後まで
つくり手の「気」がこめられて生まれるものだということを
教えられました。
そして、
「彼らの仕事に報いたい」。
彼らの汗を見ながら、そのようにも思いました。