「どの農園の豆を仕入れるか」。
このことについて、いつも悩みます。
そもそも、「良い農園」というのは、どういうものか。
これが、すぐにわかるということはないからです。
まず、目が行くのは、最新技術を投入してつくったなどといった
活字の情報です。
ただ、活字の情報だけで買い付けを決めた農園のコーヒー豆は、
当年のものは品質が良かったが、翌年以降、
どんどん品質が下がっていくということがよくあります。
良い農園かどうかを見極めるポイントは、どこにあるのか。
そのことを考えながら、目の前の
「コスタリカ・エルペドレガル農園」を口にすると
オーナーのボニージャ氏と会って話したときのことを
思い出しました。
彼は、ぼくが訪問した際、自分の農園のなかの作業を
説明しながら、ずっとコーヒーのことを話しつづけていました。
それは、夜に食事をしているとき、
そして、翌朝の朝食のときも続きました。
彼と話をしていて感じたのは、
「本当にコーヒーが好きなんだなぁ」ということでした。
振り返ると、ぼくが買い付けを決めるコーヒー農園の
オーナーは、ボニージャ氏のような人が
多くいることに気づきました。
「つくる人、そのものを見る」。
その農園が良い農園かどうかを見極めるポイントとして、
最終的に行き着いた、ぼくの答えです。