春になって、当社に新人が入社しました。
工房に生豆が届くやいなや、自分たちが率せんして運んでいく。
その意気込みたるやよし。
ただ、麻袋に入った生豆は、60キロ以上の重さ。
それを運ぶ彼らの腰つきはフラフラ、フラフラ。見ていると危なっかしくて仕方がない。
彼らを見ていると、社会に出たときの自分を思い出してしまいました。
同期よりも自分の方が、仕事ができると思っていたのに、いざ現場に出ると何もできない。
ミスばかりを繰り返して、その都度、先輩がフォローしてくれて…。
ぼくらの仕事では、生豆の麻袋を1人で運べて、その姿が“さま”になって一人前。
ちょっとしたコツがあるのですが、自分の身体をつかってやってみないとわからない。
そのコツを、どれくらいたったら彼らは、自分でつかむことができるのか。
たよりない仕事ぶりではありますが、ひよこの若者たちが、
できないことに一生懸命取り組む姿に、
おじさんは、「自分もがんばらなきゃ」と、元気をもらっています。