コーヒーの「おいしさ」について、あらためて考えてみました。
すべての方に、「おいしい」と認められるコーヒーは存在しません。
実際、コーヒーの品評会においても、コーヒー鑑定士の評価が
わかれるということは、よくあります。
そうしたなかで、注目いただきたいのは、
40度ほどに冷めたときのコーヒーの味です。
その理由は、温度が熱いときは、その豆の欠点が隠れるからです。
人肌ほどの温度になったとき、そのコーヒーがもつ「素顔」が、
はっきりとあらわれます。
その「素顔」とともにもうひとつ浮かび上がるものがあります。
「心地よさ」です。
そのコーヒーに「心地よさ」があれば、自然とカップに手が伸び、
気がつくと飲みほしてしまっているものです。
ですから、ひとつの考え方をつきつめてつくったコーヒーが、結果的に、
「おいしさ」にくわえて、「心地よさ」を感じてもらえるものになっているのであれば、
ぼくたちの仕事は成功だったと思います。