標高の高いエリア。
そうした場所に植えられたコーヒーの樹から、より品質の高いコーヒーは生まれると言われています。
その理由は、気温にあります。
この場所は、朝夕の気温の差が大きくなるため、日中に霧や雲が発生しやすなります。それらが樹に強い日差しが当たることをやわらげてくれます。日の光が制限されることで、コーヒーの実は、より時間をかけて熟成されていくというわけです。
こうしたことから、より標高の高い場所をもとめた結果、コーヒーの樹を山の急斜面に植えるという選択をしているコーヒー農園がいくつかあります。
ただ、その選択は、そこではたらく人たちの仕事を、より困難なものにします。
急斜面では収穫機が使えないからです。コーヒーの実は、人間が一粒一粒、手作業で摘み取らなければなりません。想像以上に時間と根気を必要とする作業となります。
真っ赤に熟したコーヒーの実からつくりだされたコーヒー豆。
そこから表現される味わいは、一般的に普及しているものとは別物です。
わたしがこうした上質なコーヒーしかとりあつかわない理由は、ふたつあります。
ひとつは、より高い味わいを求めているからということは、言うまでもありません。
もうひとつは、そのコーヒー豆から、目の前にある壁をのりこえようと必死で取り組む「人」の姿を見ることができるからです。
ですから、いままで
「どれだけ手間をかけてつくられたのか」ということに、価値をおいてコーヒーを選んできました。
それは、これからも変わることはありません。