わたしたちは、旧式の焙煎釜を使いつづけています。
焙煎の技術を磨くためには、この焙煎釜が欠かせないからです。
近年、多くの焙煎機に、コンピューターが導入されるようになりました。
コンピューターに数値を入力すれば、スイッチを押すだけで、火加減や焙煎する時間を、自動で調整してくれる、とても便利なものです。
「同じコーヒーを大量につくること」が目的であれば、このような焙煎機は、最適かもしれません。
しかし、わたしたちは、効率よく大量にコーヒーをつくりたいわけではありません。
父、土居博司のふたつの考えから生まれた「コーヒーづくり」を、わたしたちは守りつづけていきたいのです。
それは、焙煎する生豆の状態に合わせて、その都度、人間が、火加減や焙煎する時間を調整しながら仕上げていくということです。
このような調整は、旧式の焙煎釜でないとできません。
そして、「焙煎の技術を磨きつづける」ということ。
旧式の焙煎釜を扱うためには、なにより職人としての経験と技術を磨かなくてはならないのです。
わたしたちは、これからも旧式の焙煎釜を使いつづけることで、自分たちの技術も磨きつづけていきます。