お客さま第一位銘柄「グァテマラ カペティロ農園」。
その農園オーナーであるペドロ・エチェベリア・ファリャ氏に、先日インタビューする機会がありました。
わたしは、彼にぜひしたい質問がありました。
「品質の高いコーヒーを生み出すうえで、もっとも重要なことは何ですか?」。
彼はこう答えました。
「天候だね」。
日本でも異常気象が多々語られるようになりましたが、それは産地国も同じです。
近年、グァテマラでも、いままでにない気象にみまわれています。
一例として高温多雨の傾向になっているというのです。
グァテマラは、2回雨季をむかえます。
最初の雨は、開花をうながし、2回目の雨はコーヒーの実の成熟をうながします。
雨が降る期間が長引くと、日照量が少なくなってしまう。
その結果、コーヒーの実の成熟度にばらつきが生じます。これがむずかしいのです。
実の成熟度にばらつきが出ている状態で収穫期をむかえると、どうしても、収穫するときに未成熟の状態のコーヒーの実が混じることが多くなるからです。
これが、大きくコーヒーの品質を落としてしまう原因になります。
ですから、品質の高いコーヒーを生み出すことを考えたとき、ペドロ氏が言うように、天候は重要な要素となり、それにどう対応するかが問われるというわけです。
こうした問題に対して、カペティロ農園ではどう対処しているのかを聞いたとき、ペドロ氏はこう答えました。
「収穫する回数を増やすのさ」。
通常、コーヒーの実の収穫は、3回ほどに分けて行われます。
ペドロ氏は、コーヒーの実の成熟度にばらつきが出るのであれば、その成熟度に合わせて、収穫する回数を増やし、そのときそのときに、完熟したコーヒーの実だけを摘み取るというわけです。
わたしは彼の話をきいておどろきました。
これは、言葉でいうほどカンタンにできることではないからです。
当然、現地ではたらく人の仕事量は増えます。
ピッカー(摘み者)の確保もたいへんになります。
効率だけを考えていたら、これはできません。しかし、この天候の不順という問題に対して、カペティロ農園は、人の「手間ひま」をもって戦っているというわけです。
ペドロ氏の話を聞いて、10年以上付き合いが続くこの農園に、あらためて惚れなおした気がしました。
ペドロ氏のインタビューは、次回もつづきます。