今週は、ご質問が多いコーヒーのたてかたについてお話します。
コーヒーには抽出方法がさまざまありますが、今回は一番オーソドックスな「ペーパーフィルター」抽出編です。
ペーパーフィルター抽出が優れている点は、濃度の調整がカンタンなこと、そして、ペーパーフィルターを使用するため、器具の清潔度を保ちやすい点があげられます。
順番にお話していきます。
まずは器具にお湯を通して、温めてください。
ペーパーを上部のドリッパーにセットしていただき、コーヒーの粉を入れます。
■使用するお湯の基準(2杯分抽出)
豆:16g~20g(お好みの濃度によって調整)
水:約240cc~260cc
お湯の温度:95度前後
お好みの濃度によって、コーヒーの粉の量は調整ください。使用する粉の量を多く使用すると、それだけ濃度は濃く抽出されます。当社のコーヒーは、焙煎の鮮度が新しい分、成分がでやすい傾向があります。たてる杯数が3杯以上となる場合は、粉の量を少なくして抽出いただくことを、オススメしています。(例:3杯抽出の時は、約24g~28g)
ドリッパーの粉を平に整えてから、粉全体にむらなくお湯を行きわたらせます。粉の中心部より、ゆっくりお湯を注ぎください。
家庭用の通常のヤカンは、お湯の注ぎ口が大きいため、お湯が太く落ちます。コーヒーをたてる際は、注ぎ口が細い専用のドリッパーをおすすめしています。
カリタ ペーパードリップ専用ポッド
焙煎の鮮度が新しいと、コーヒーの粉が膨らむのが確認いただけると思います(※銘柄、焙煎度合いによって、鮮度が新しいにも関わらず、例外的にコーヒーの粉が膨らまない場合あり)。この状態で20秒ほど時間を置いてください。「蒸らし」という作業になります。
※「蒸らし」の時間をとっていただくことで、その銘柄の持つ美味しさの成分の多くが、サーバーに抽出されることになります。
2投目のお湯を100円玉ほどの大きさの円を描きながら、粉の上にのせるように注いでください。すると、コーヒーの粉はいったん膨らみ、徐々にお湯がサーバーに落ちることで真ん中部分より、すり鉢上に落ちていきます。
粉の表面が沈んできたら、3投目のお湯を注ぎください。サーバー周辺の粉を崩すのではなく、粉の真ん中部分へお湯を注ぎください。
最後の一滴まで抽出すると、コーヒーのエグ味など、抽出したくない成分まで抽出されます。目標杯数分のコーヒーが抽出できれば、サーバー上にお湯が残っていても、ドリッパーから取りのぞきください。
できあがりです。
海外に行くと、コーヒー抽出のほとんどは、エスプレッソ抽出です。ペーパーフィルターで抽出するコーヒー文化を持つ国は、実はそれほど多くありません。逆に言うと、ペーパーフィルターで抽出するコーヒーの味は、日本の食文化に沿っているからこそ、日本でこれほど普及しているとも言えます。