今回の旅の目的地は、アメリカはオレゴン州、ポートランドに決めました。
現在、ポートランドは、いままでにはない最新のカフェが生まれている場所と言われているからです。
いま、コーヒーの世界では「サードウェーブ」という言葉がよく聞かれるようになりました。この「サードウェーブ」のコーヒーを楽しめるカフェが、誕生した場所が、ポートランドと言われています。
エスプレッソ抽出を中心にしたイタリアのバールをモチーフにしたカフェが、いわゆる「セカンドウェーブ」型カフェ。この「セカンドウェーブ」型カフェに対してのカウンターとして、「サードウェーブ」型のカフェが生まれました。
エスプレッソ抽出ではなく、ハンドドリップ抽出によるコーヒーが多く提供される。
「セカンドウェーブ」型のカフェは、重厚かつスタイリッシュな家具がおかれた内装にくわえ、店内は落ち着いて時間が過ごせるよう、少し暗い照明による空間が特徴でした。
これに対して、「サードウェーブ」型のカフェは、エスプレッソ抽出のコーヒーではなく、日本のようにハンドドリップで抽出したコーヒーが中心に提供されていました。
ポートランドの名物、ホテル「エースホテル」ラウンジ。
店内は白を中心とした内装と明るい照明。家具も主に天然木の味がそのまま出たものを使用。従来のセカンドウェーブ型のカフェとはまた異なる居心地のよさでした。
この地の面白いところは、カフェの専門店だけではなく、いろいろな形態なお店が、店内にカフェを併設していることです。本屋さんの店内にカフェが併設されていることは、日本でも見ることができるようになりましたが、ポートランドでは、家具屋や服屋。変わったところではコインランドリーの店内にまでカフェが併設されていました。
ポートランドの名物、コインランドリー「SPIN」。店内にはカフェが併設されている。
確かに新しいカフェの形であり、提供されるコーヒーも従来のような量販用のコーヒーではなく、質の高い銘柄も使用されていました。店によっては、ペーパードリップでコーヒーを抽出する方法も、見た目重視で結構いい加減だったりするところがあったのもご愛嬌。
ただ、ポートランドのカフェをいくつか回っていると、最初は楽しんでいた私ですが、どのカフェも判で押したように同じ店に見えてきたのが、ちょっと残念でした。中東圏やアジア圏のカフェで見られるような、その場所の文化と歴史に根ざした特徴的な姿が発見できなかったのです。
店舗の内装や出されるコーヒー、働いている方の姿格好まで、どの店もどこか似ている。今まであった大多数の主流に対してのカウンターとして、新しいカフェの形が誕生したのではないのか?
いくつかのカフェを見て、「今、流行のカフェに合わせにいっている?」と感じてしまったのは、私が単にへそまがりだからかもしれません。