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旅の中のコーヒー(サハラ砂漠編)

「満点の星空の下で、コーヒーを飲みたい」。そう思い立ちました。そして、わたしが訪れた場所が、世界最大の砂漠、サハラ砂漠でした。

サハラ砂漠へは、モロッコ国 メルズーガという街から入ります。そこから、遊牧民のテントへと向かいました。

目指すテントへは、ラクダに乗って向かいます。ラクダに乗り込んで5分もすれば、まわりに広がる景色は、一面砂景色。風が吹けば、いままで通ってきた自分たちの足跡は、あっという間に消えていきました。

幼いガイドに連れられて、サハラ砂漠の中へ中へと、足を踏み入れていきます。

目印となるようなものは、まったくありません。自分が今どこにいるのか、まったく分かりません。きっとガイドが居なければ、あっという間に遭難してしまうでしょう。

テントに到着し、しばらくすると日が落ちていきました。灼熱だった気温は、夜になると、どんどん下がっていく。あたりが暗くなったとき、空を見上げると降るような星空が広がっていました。

砂漠でたてるコーヒーは、やはり伝統アラビックコーヒーでした。専用のコーヒー器具を使って、たてられます。

異国の過酷な地を旅する、さみしさをふと感じながら、ガイドがたててくれたコーヒーを口にしました。

紀元前の昔より、砂漠を旅していた遊牧民も、同じように星空を眺めながら、このアラビックコーヒーを口にして旅の疲れを癒やしていたはず。この過酷な環境のなかでも、人は古来から旅をしていた。

サハラ砂漠で口にしたコーヒーの味は、「人間」という存在の強さを、あらためて教えてくれるものでした。