今週は美味しいコーヒーの淹れ方についてお話します。
コーヒーの淹れ方について、それほどむずかしい技術は必要ありません。
コーヒーを淹れるのに、よく言われるのは「コーヒーの粉がふくらむようにお湯を注ぐ」というものがあります。
ただ、焙煎してから時間が長時間経過したコーヒーでは、どれほど高い技術を有していても、お湯を注いだ時にコーヒーの粉はふくらみません。
コーヒーの粉がふくらむことが重要なのではなく、焙煎してからの鮮度が新しいコーヒーを使ってコーヒーを淹れることが重要なのです。
「新鮮な豆を、飲む分だけ挽いて淹れる。」
美味しくコーヒーを淹れようとしたとき、大切なことはこのシンプルな答えにいきつきます。
もちろん、そのコーヒーの品質が高いということが前提にあることは言うまでもありませんが。
このことが満たされているならば、以下のようにしてコーヒーを淹れてください。
1、ドリッパーにコーヒーの粉が平らになるようにおく。
2、ポットから落とすお湯が、細い線になるようゆっくり落としていく。
粉の中心から外に、500円玉くらいの大きさで「の」の字を描くようにする。
3、コーヒーの粉が膨らみだす。膨らみきるまで次のお湯を落とさない(=蒸らし)。
コーヒーの粉を”蒸らす”ことで、コーヒーのおいしさの成分が、より多くカップに抽出される。
4、コーヒーの粉が完全に膨らみきったのをみて、2回目のお湯を投入。ふくらんだ粉の中心部にむけてお湯を少量落としていく。
5、3回目のお湯を、同じようにコーヒーの粉の中心から外にむかって、小さな円を描くように注いでいく。同じように粉がむくむくとふくらむ。ふくらみきると、しぼんでいこうとするので、4回目のお湯をそそぐ。
6、自分の思っている量が抽出できたら、ドリッパーをはずす。最後まで出しきらないのがポイント。コーヒー抽出において最後の成分は、エグみなどマイナス評価のものだからです。
1杯のコーヒーを淹れるときに使用する粉の量は、まずは10gから15gを目安にしてください。
補足として、銘柄によってコーヒーの豆質がやわらかい場合などは、焙煎の鮮度が新しいにもかかわらず、コーヒーの粉がふくらみにくいなどの例外はあります。そうした場合は焙煎した直後であっても、お湯を注いだ時にコーヒーの粉はふくらみません。
コーヒーは淹れるときによって、おいしく淹れられる日もあれば、おいしく淹れられない日もある。
ただ、植物のように手間ひまをかけた分だけ、ちゃんと答えてくれる。
日々の生活のなかで、おいしく淹れられたコーヒーを口にする瞬間は、わたしにとっても、なにより大切なひとときです。