2023年4月『手と手 Connection Plan』
先月も申し上げたとおり、わたしどもは、数あるコーヒーの味わいのなかでも「甘み」を重視しています。
素材がもつ自然な「甘み」は、コーヒーづくりにおける“当たり前”を積み重ねることで、はじめてつくりだせるものだからです。
まず、大前提として、栄養分がそそぎこまれた完熟果実を用いることが不可欠です。これは、人の目で見て、一粒一粒、実の熟度を確認しながら摘み取らなければなりません。
そして、焙煎です。深い焙煎度合いで仕上げれば、豆がもつ「甘み」が消えてしまうため、酸味から甘みへと変わる瞬間を見極めて、仕上げる必要があります。
豆の状態を見ながら、そのつど、人間が火加減や時間を調整して仕上げる。もちろん、手間と時間はかかりますが、これはわたしども「小さな焙煎」の真骨頂です。
効率化が求められている現在の生産現場において、手しごとをまもるつくり手の数は、年々少なくなっています。ですから、上質な「甘み」をたのしめるコーヒーを見つけだすことは、むずかしくなっています。
この状況のなか、信用を基盤とする「手と手」にご契約いただくお客さまには、それぞれに特徴ある「甘み」をもつ銘柄を、今月は、とりそろえることができました。
ぜひ、お楽しみください。