コーヒーをお客さまが楽しむ時間、そして共に過ごす毎日。そこには、そのお客さまだけの「物語」があります。
「お客さまに会いに行きました」。
今回は、長野県北安曇郡在住の高張さまご夫妻を取材させていただきます。
グァテマラのコーヒーをずっと探していました。
コーヒーは以前からよく楽しまれていたのですか?
妻がコーヒー好きなんです。わたしは紅茶派だったのですが、妻がミルをつかって、コーヒーをたててくれるようになってから、口にするようになりました。
奥さまは、昔からコーヒーを飲まれていたのですか?
若いころからですね。はたらいていた当時、本場ブラジルのものを手にいれることができたので、職場の仲間とよく飲んでいました。
お気に入りの銘柄はあるのですか?
とあるお店でグァテマラを飲んだときに、今まで味わったことのない味と香りだったんです。それ以来、グァテマラのものをずっと探していました。
わたしは、ブラジルとコスタリカですね。以前頼んでいたお店のご主人が亡くなられたあと、味が変わってしまって。今回、土居さんのブラジルを頼んでみたのですが、本当においしいコーヒーでした。
この家をつくるのに15年かかりました。
ご出身は長野県ですか?
5年前に神奈川県から移住してきました。学生のころからスキーをやっていて、若いころからずっと長野県に来る機会があったんです。
この家は夫が建てたんです。そのために、建築士と電気工事士の資格もとりました。
とても大変だったのではないでしょうか。
無理と思うことは何度もありました。ただ、やめたらかっこわるいじゃないですか。木の切り出しからなので、この家が完成するのに15年かかりました。
奥さまのご理解をえられず、あきらめてしまう方も多いと思うのですが。
「やめたら?」と言ったときもありました。ただ、本人の意思というか、それにかける想いを知っているので、やり遂げてもらいたいという気持ちがありました。
わたし自身、家づくりにいろいろと参加させてもらえたので思い入れもあります。
素敵な話ですね。
秘訣は、否定的な言葉は使わないこと。
とても仲の良いご夫婦だなと感じます。夫婦円満の秘訣があればお聞かせいただけないでしょうか。
価値観があうというのは大事だと思います。妻とはテンポが合う。
それと、お互いの人生を尊重すること。
たとえば、思っていることにたいして「それ違う」、「ダメ」とか、否定的な言葉は意識して使わないようにしています。今となっては、それが自然になりましたね。
一緒に生活するのだから明るく楽しく。相手を否定する言葉はあえて言う必要はないかなと思います。
素晴らしいですね。
最初のころ、夫はあんまり気持ちを表現しなかったんですよ。だから逆に聞いていたんです。「おいしい?」、「どう?」とか。
そうしたら「おいしいよ」って言う。
「なんで言わないの?言葉って人を喜ばせるためにあるんだよ」って伝えてました。このごろは、頼まなくてもちゃんと言ってくれるようになりました。
貴重なお話をお聞かせいただき、本当にありがとうございます。