コーヒーをお客さまが楽しむ時間、そして共に過ごす毎日。
そこには、そのお客さまだけの「物語」があります。
豆づらを見たときに「いや、これはいいな」と思った。
今回の「お客さまに会いに行きました」は、宮城県仙台にお住まいの星秀樹(ほしひでき)さまからお話をお聞かせいただける機会をいただきました。
星さまには15年以上、当社のコーヒーをご愛顧いただいております。きっかけは、どういったことだったのでしょうか?
当時、よく買っていたコーヒー屋さんがあったんです。ざんねんなことに、そこの旦那さんが亡くなってしまった。それから、いろいろなお店で、買っては飲んでを繰り返していたんです。
でも、亡くなった旦那さんがつくっていたコーヒーに、なかなか出会えない。そんなとき、たまたま会社で、「みんなでコーヒーを買って飲もうか」という話が出た。いろいろ探していたら、土居珈琲を見つけ、ちょっと試してみよう、となったことがきっかけですね。
どのようなご感想だったのでしょうか?
まず、豆づらを見たときに「これはいいな」と思った。あと、パッケージを開けたときの香りが全然違った。「いや、これは当たりだな」と(笑)。それからはすっかりとりこ。
うれしいかぎりです。
間に合わなくて、ほかのところのコーヒーをたのむこともありますが、土居さんのコーヒーが、ひとつの基準になっている。この豆の美しさ、ほかではまず目にできない。
どれくらいの頻度でコーヒーをお楽しみいただいているのでしょうか?
毎日ですね。まず朝1杯。それから水筒に2杯分くらい入れて、仕事しながら飲む。だいたい1日4杯くらい。やっぱりおいしいから、ついつい飲んでしまう。
ものづくりの現場は、みんな同じ。
以前、ニュースレターで、朝礼をやっているということが書いてありました。どんなことをお話しするんですか。
当社には、父のコーヒーづくりにおける考え方を記した『行動基準書』というものがあります。それを毎朝、スタッフと読み合わせています。
なるほど。今勤めている会社も工場を持っているメーカーなのですが、同じように必ず朝礼と、仕事が終わったあとの終礼を行っています。5つほど行動理念を、みんなで唱和しているのです。
社員全員で、同じ目標に向かって進んでいくという考え方を一致させている。ものづくりの会社は、みな同じなんだなと共感しました。総じて言えば人と人との繋がりを大切にしていると思いました。
わたしの祖父が左官職人だったんです。明治生まれの人ですから、すごい頑固者というか(笑)。左官工業所という小さな会社をやっていました。
新しく入った職人さんに、仕事を覚えてもらわなければならない。だから、寮に入ってもらい、ほかの職人と寝泊まりしながら仕事をしてもらう。そういう会社だった。
幼いとき、職人さんたちが毎朝会社(家)の前に集まり、「今日あなたあっちね。あそこの現場だね」とやりとりし、とても活気がありました。このことがすごく印象に残っている。
今思えば気持ちがひとつになる事がいい仕事に結びついていくのかも知れませんね。
美しい昭和の風景ですね。とてもいいお話をお聞かせいただき、たいへん勉強になりました。ありがとうございます。
直接お会いできて、とてもうれしく思っています。これからも、美味しいコーヒーをよろしくお願いします。