コーヒーをお客さまが楽しむ時間、そして共に過ごす毎日。
そこには、お客さまそれぞれのエピソードがあります。
初めて召し上がっていただいたきっかけや、ご感想をお聞きしたくて、
土居珈琲 土居陽介がお客さまにインタビューしました。
今回も、素敵なお客さまにお話をお聞きする機会をいただきました。西橋 早苗(にしはし さなえ)さまです。2009年より、土居珈琲をご愛顧いただいております。
きっかけは、土居博司さんでした。
西橋さまには、2009年より、11年間ご愛顧をいただいております。土居珈琲を最初に試してみようとお考えになった、きっかけは覚えていらっしゃいますか。
覚えています。ネットでみつけた珈琲の定期宅配、『珈琲ライフ贅沢倶楽部』のページに載っていた土居博司さんが本当にかっこいい人だったから。おっしゃることにも芯があって、「これはいちど試したい!」と思った。一度試してみたら、本当においしかった。
皆さんおっしゃることだと思うんですけど、それでやめられなくなりました。うちは母子家庭なので特に裕福なわけではありません。
そのなかで、私に許された贅沢はコーヒーと音楽。あと、狭いベランダで「ばら」を育てること。その三つくらいだったんです。だから、私にとってのほんとにとっておきが土居珈琲さんでした。土居珈琲さんのコーヒーを飲んでいると、外でコーヒー飲めないです。
物事は、いい面とわるい面が必ずセットでやってくる
インターネットで、ほかにお買い物をなさることはありますか。
もう、ほとんどネットで買います。私は、14年間在宅ワーカーだったので、家にいることが本当に多かった。在宅ワークは他人からは自由に思われるかもしれませんが、実は見えない拘束やプレッシャーがある。なので服でもお米でも果物でも、なんでもインターネットで買うようになりました。
在宅ワークのむずかしさとは何でしょうか。
物事は、いい面とわるい面とが必ずセットでやってくる。いい面は、子どもと一緒にいられること。子どもに「いってらっしゃい」と言って「おかえりなさい」と言ってあげられる。
むずかしいのは、家事と仕事のメリハリのつけかたですね。人に見られてない分、自分で自分をすごく追い込んでしまう。日本人はとても真面目で、人に認めてもらってこそみたいな部分があるので、仕事の進みが良くなかったらその分、夜中までやってしまう。
自分のやるべきことをきちんとやっているのだから、私はオーケーという感覚をしっかり持つことがたいせつだと思います。
コーヒーとチョコレートは、私にとっての至福
在宅ワークにおいて、「おうち」のなかのアイテムはより重要なのではないでしょうか。
重要です。一番大事だと思うのは、自然ですね。うちにはベランダがあって、そこが、とにかく足の踏み場もないぐらい植木鉢だらけなんです。
つぎに、音楽が好きだから、それもたいせつです。それと、やっぱりコーヒータイム。コーヒーとチョコレートというのは、私にとって至福なのです。私はお酒を飲まないものですから、コーヒーと合うものをたいせつにしています。ナッツも、ドライフルーツも合うと思います。
はじめて砂糖を入れないで飲めたコーヒーです。
はじめてコーヒーを楽しまれた思い出はございますか。
昔ながらの喫茶店で飲んだコーヒーです。ティーンエイジャーのとき。その頃は今みたいにコーヒーの味はちゃんとわかってなかったと思います。わからないのにカッコつけてストロングをブラックで飲んでいた。友達の一言で砂糖を入れたらおいしかった。
土居珈琲さんのコーヒーも、最初は砂糖を入れてたんです。でも、あるとき砂糖を入れずに飲んだら、そのほうがおいしくてびっくり!以来、コーヒーに砂糖は入れなくなりました。土居珈琲さんのコーヒーがはじめて砂糖を入れないで飲めたコーヒーです。
昔の喫茶店は、「居場所」だったと、多くのお客さまからお聞きします。
本当にそうでした。自分の「居場所」があるって、すごく大事なことだと思います。そこに流れている音楽だったり、雰囲気だったりが好きで、そのなかにコーヒーがあった。
小さいけれど、カウンターと、あとは2人席が数席あるような喫茶店が駅ごとにありました。今でも思い出しますが、今ではもうそんな店はないので、すごくさみしいです。
たとえば、映画を見たら、その映画について語り合いたいし、1人だったら余韻に浸りたい。それには喫茶店とコーヒーが不可欠だった。ほかにも、雰囲気のあるジャズが流れている店とか。あそこで贅沢な時間を過ごしました。パトリス・ジュリアンというフランス人が、カフェは第二の部屋であると言っていますが、第二の部屋を感じさせる店に、もう一度出会いたいですね。
ありがとうございます。これからも、西橋さまにたいせつな時間を過ごしていただくためのコーヒーづくりに精進してまいります。
本日は楽しいお話をお聞かせいただき、まことにありがとうございました。